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BLOGこんにちは。ヒデルです。
最近野菜中心のヘルシーな生活なんですが、行きつけの整体師さんに、筋トレしてるなら肉も食べたほうがいいと言われたので焼肉のお店に入ったら、店員さんの名札に「ズイミー」と書いてあったので、そうだ、先週末から始まったレオ・レオーニ展に行きたいと思って、板橋区美術館に行ってきました!
レオ・レオニと言えばなんといっても有名な「スイミー」、そしてねずみが主人公の「フレデリック」などなど、エリック・カールと並ぶ巨匠である素晴らしい絵本作家です。
だれも知らないレオ・レオーニ展 見どころ
この展覧会は、「だれも知らないレオ・レオーニ展」と題され、初公開作品や若い時代の広告デザイン作品など
中身の濃い展覧会です。
そしてやっぱりなんと言ってもスイミーやフレデリックなどの原画が
生で見ることができて、その色、質感に感動すると思います。
僕もレオ・レオーニの原画を見たのは初めてだったんですが、
あぁ、原画はこんなテクスチャーなのかと見入ってしまいました。
とても丁寧に切り貼りしてあるんです。
派手すぎない色合いもまた素敵です。
中には日本の千代紙を使って描かれた美しい質感の作品も展示されていました。
技法がわかるコーナーも少しあったので、研究して今度アルティキッズのレッスンでもやってみようかな。
そして、展示作品を見ていくと、レオ・レオーニ氏の生涯や考え方をわかりやすく知ることができます。
レオ・レオーニの子ども時代
「自分を形成した要素のすべては、アムステルダムでの幼少時代にある」
とレオ本人が語っており、自然化学と芸術教育を融合した進歩的な小学校教育を受け、芸術的にも大変めぐまれた環境で育ち、
自室のそばに飾られていたシャガールの<ヴァイオリン弾き>の絵が
「自分が作った全ての物語のもととなった」
と言っています。
物心つく頃には、アーティストになりたい、と思っていたそうです。
やはり幼少期の環境や体験が一生を作る、だから本当に幼少期は大切な時期なんですよね。
エリック・カールさんも幼少期に自然に触れ合いながら、全面的に理解あるご両親によって絵を描くことに没頭していました。
レオ・レオーニの広告デザイナー時代
僕も全然知らなかったのですが、若い頃は油彩を描いたり、広告デザインの仕事もたくさんしていて、政治や戦争、差別を批判する風刺画を描いていたんですね。
それがある時期
絵本の無限の可能性に気づき、子ども達を喜ばせたいという思いで絵本を描き始めたそうなんです。
ふと、自分も同じ流れで今の作風にたどりついたなぁと思いました。
若いころは現代アートの尖った作品を制作していたのが、巡り巡って今は絵本コンサートを開いたり、キッズ向けの
アート教室をしたり。余談でした。
レオ・レオーニの代表作「スイミー」の原画
「よし ぼくが めに なろう」
で有名なシーンのこの原画、じつは行方不明なんですって。
この展覧会では、別の機会にレオが描いた同じシーンの原画が展示されていました。
オリジナルの絵本のバージョンとは背景の色などが違うそう。
でもそれも貴重な原画ですよね。みることができて感動です。
丹念に丁寧に描かれています。
この鮮やかだけどちょっと落ち着いた感じの色彩がまたいいんですよねー。
レオ・レオーニが絵本にこめたメッセージ
この展覧会を見ていて刺さったメッセージがたくさんあったのですが、
特にアーティストの使命に関するレオの考えです。
スイミーやフレデリックのようにみんなとはちょっと違っているけど、社会をリードするのが芸術家の使命と感じていました。
スイミーは小さな魚たちが集まれば大きな魚のように見せられるという想像力を使って仲間の窮地を救いました。
イタリア語版のフレデリックのラストで「きみって 詩人じゃないか」と他のねずみから言われ、
「僕は拍手はいらない。他の人にもしない。それぞれが自分の仕事をしているだけさ」
と孤高のアーティストの姿を強調しました。
そこにはものをつくる人間の覚悟があらわれていました。
レオ・レオーニのおすすめ絵本
レオ・レオーニさんの絵本は、スイミーやフレデリックなど、有名な名作だらけなので、そんなにメジャーではないけれど、とっても素敵なメッセージのある絵本も選んでみました。
コーネリアス たってあるいた わにの はなし
電話中の落書きが絵本になるなんておもしろいね。
僕もよく電話中にいたずら書きするんだけど、すごく面白い絵が描けるんだよね。無意識に描く絵って観念にじゃまされないから面白くなる。
それにしてもワニが逆立ちってアイデアが面白いです。
自分の存在価値をみとめてほしい、といったテーマがレオーニさんの作品には多いかもしれませんね。
ペツェッティーノ―じぶんをみつけたぶぶんひんのはなし
自分って何者なんだろう?周りにはすごい人ばっかりで、自分なんてちっぽけな存在で、きっとだれかの部品なんだ。
こんなふうに思ったこと、だれしもあるのでは?
でもだいじょうぶ。きっと自分にしかないものをもっているよ。
絵も現代アート的で表現もすてきな作品です。
マシューのゆめ えかきになった ねずみのはなし
そして僕がアート教室の生徒さんにおすすめするレオの絵本は
「マシューのゆめ えかきになった ねずみのはなし」
です。
主人公のマシューは、目ではなく心で見たこの世界の美しさを描こうとしてくれているようです。
絵描きになるって素敵だなと思わされますよ。
ぜひ読んでみてください。
レオ・レオーニの絵の技法も
地下一階におりると、レオーニさんがどんな風に絵を作っているのか見ることができます。
上の写真を見ると、カメレオンのステンシル(カメレオンの形に切り抜いたマスキング型)
を作っておいてそこに色を置いていっているんですね。
これ、おうちでもできるので、ぜひやってみてくださいね。僕もやってみよっと。
このコーナーでは、レオーニさんのインタビュー映像やアニメーション制作の工程も見れます。
だれも知らないレオ・レオーニ展 グッズ
なるべく物を持たない主義のミニマリスト芸術家の自分ですが、グッズコーナーに行くと魅力的なグッズがたくさんあって、買ってしまうかも悩みました 笑
特に僕はこのマグカップが気にいってしまいましたー。
その他、Tシャツやバッグなどなど魅力的なグッズがたくさん。
レオ・レオーニの絵本もここで揃いますよー。
だれも知らないレオ・レオーニ展 アクセス
この展覧会はレオの絵本の貴重な原画や、若い頃のデザインの原画が見れる貴重な機会です。
広告デザイナーとしての作品も素晴らしいものばかりで大人も子どもも刺激になりますよ。
ぜひ足を運んでみてくださいね。
素敵な公園の中にある素敵な美術館でした。
西高島平駅から徒歩13分。
ちょっと交通が不便とも思ったのですが、のんびり歩くのもいいもんですね。
穴場の美術館でした。
だれも知らないレオ・レオーニ展 料金
2020年10月24日(土曜日)~2021年1月11日(月曜日・祝日)
午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日・年末年始(12月28日~1月4日)
(ただし、11月23日、1月11日は祝日のため開館し、11月24日休館)
観覧料:一般650円、高校・大学生450円、小・中学生200
オンラインからの予約制です。
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/4000016/4001385/4001386.html